Cinematic Commons: リーズ・ベケット大学サラ・ミルズ女史との企画

Cinémartic Architecture Tokyo が、リーズ・ベケット大学 以下の企画に参加・協力した。

「The Catalytic Commoning 建築と都市デザインへの建築的アプローチ」展
およびトークセッション、ワークショップ@東京ミッドタウン・デザインハブ

英国リーズ・ベケット大学建築学科のサラ・ミルズ氏が理論化と実践に取り組んでいる、映画の手法を使った建築デザインプロセスを紹介する展示「The Catalytic Commoning 建築と都市デザインへの映画的アプローチ」は、ムンバイ(インド)、メキシコ・シティ(メキシコ)、そして東京を対象地に、ラース・フォン・トリアーや、クリス・マルケルなどの映画作家の視点を生かした独自の都市観察法、問題点を見つめる部外者の視点によりビルディング化された作品やダイヤグラムなど、ミルズ研究室の近年の学生作品を中心に紹介するもの。

 26日には映画的アプローチの可能性をテーマにしたトークセッションと、ミルズ氏を講師とした映画的アプローチの手法を体験できるワークショップがあり、映画の手法がどのように建築や都市デザインに干渉していくのかについての知見を得た。
 トークセッション登壇者は、ミルズ氏、CAT緒方、九州大学大学院芸術工学研究院の田上健一氏、九州産業大学の安斎哲氏、モデレータは九州大学大学院芸術工学研究院の池田美奈子氏。
 セッションでは、ミルズ氏とCAT緒方による、映画を編集することで、都市を主観的に切り取り、建築へ展開していくという、英日の新しい手法についての説明の後、田上氏、安斎氏を交え、教育上の利用法や、具体的な活用法について討議した。会場からも積極的に質問や意見交換が行われ、映画と建築の関係から、新しい方法論を考えるきっかけになったという意見が上がった。
(参照:ウエブサイト九州大学イノベーションデザインネクスト(KID NEXT) PROJECT)

  • 日時:2016年11月24日(木)~11月26日(土)
  • 会場:インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター(東京ミッドタウン・デザインハブ内)
  • 主催:九州大学大学院芸術工学研究院
  • 協力:公益財団法人日本デザイン振興会、シネマティックアーキテクチャー東京

レクチャーおよび交流プレゼンテーション
「共有行動の視点〜新たな都市パラダイムとしての映画的建築」@日本女子大学

サラ・ミルズ氏自身が実践作品例を示しながら、映画技法、エッセイスト(映画随筆家)のアプローチ、舞台美術の構築法を用いながら、手つまりになりつつある、現代イギリスの都市計画上の公共空間「コモンズ」の問題への取り組みが紹介された。  また、講演に先立ち、交流と相互理解のために、リーズ・ベケット大学学生、日本女子大学宮晶子研究室、およびシネマティック・アーキテクチャ東京によるプレゼンテーションが開催された。

  • 日時:2016年11月24日(木)
  • 会場:日本女子大学目白キャンパス
  • 主催:日本女子大学家政学部住居学科宮晶子研究室
  • 協力:シネマティックアーキテクチャー東京

[総評]
建築や、建築家の社会的な役割についても述べていることが、英国的な点。また、ミルズ氏が取り組んでいる映画の手法を使った建築のアプローチには、私たちシネマティック・アーキテクチャ東京と多くの共通点がある。また、このような異分野の介在により、今あるものに新たな解釈が可能となり、閉ざされた現況問題を打破する手だてになることを再確認した。